獣医師だからこそ、市議会でできることがあります
01
生命尊重教育の推進
学校で飼育する動物を通じて、命の大切さを学んで欲しい。動物飼育を授業に位置付け、獣医師会の支援を受け全小学校に広げていきます。
私は、学校で動物を飼育すること。その活動の最大の目標は、子どもたちが愛着を抱いた相手の死を体験すること、と考えています。
愛着を持った、自分たちが大事にお世話をしていた動物が亡くなった時、子どもたちは、魂の半分が持っていかれるような、そんな辛さ、悲しみを体験できるでしょう。
言葉や映像、知識では伝えることのできない、自分で体験することでしか、身に染みなければ、わからないことがあると思うのです。
その一つが、愛着を持った対象の「死」の体験に伴う「辛さ」、「悲しみ」だと考えています。
子どもたちが、学校で飼っている動物たちに愛着を持ち、自分達の動物と感じるためには、子どもたちが、安心して動物をお世話できる環境が必要ですし、自分達が最後まで面倒を見るという認識が必要でしょう。
その様な環境を、市内小学校全校に広げていきます。
02
災害弱者をつくらない社会の構築
災害時に動物同伴での避難ができず、危険が残る自宅に留まる事例があります。必要な場合には安心して避難できる環境を作ります。
台風19号の時、飼育している動物を避難所に連れて行けないのではないかと心配して、避難が遅れ、不幸にして亡くなってしまった事例が、他県ですが報告されています。
動物を飼育している方も、社会の一員です。その人たちが安心して避難できる環境を作ることが大事です。
私が避難所運営協議会のメンバーでもある、地元西東京市立保谷第二小学校では、飼い主と動物が一緒の場所で避難する訓練を、避難所運営協議会主体で実施しました。これは、東京都でも大変に先進的な取り組みです。この実践をしっかりとマニュアル化していくこと。そして、市内全避難所運営協議会に御理解を頂く事。
それを、今まさに、危機管理課、学務課、環境保全課とともに汗をかいています。
獣医師会の役員であり、市議である、私の役割に1つと考えています。
03
地域と学校の連携を推進
子どもたちに動物飼育・花壇の世話・職業体験・ラジオ体操・お祭り・防災教育など実体験を与える為、学校を支える地域づくりを進めます。
GIGAスクールが始まり、皆がタブレットを持ち、多くの子ども達はまさにデジタルネイティブとして成長していきます。うちの子どもも、スマホを見るとまず画面を触ります。映像として、間接体験として多くの情報に触れています。
一方、実際に動物に触れる、泥遊びをする、虫を捕まえて愛でる、捕まえた虫の足を捥いで怒られる、地域の友だちや異年齢の子たちと遊ぶ、地域の人とラジオ体操をする、地域の人に褒められる・怒られる。そんな、当たり前の体験が少なくなっています。
令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告 ~21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果について~という調査研究では、
(1)小学生の頃に体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)や読書、お手伝いを多くしていた子供は、その後、高校生の時に自尊感情(自分に対して肯定的、自分に満足しているなど)や外向性(自分のことを活発だと思う)、精神的な回復力(新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向きなど)といった項目の得点が高くなる傾向が見らた。
(2)小学生の頃に異年齢(年上・年下)の人とよく遊んだり、自然の場所や空き地・路地などでよく遊んだりした経験のある高校生も同様の傾向が見られる。
(3)経験した内容(体験活動や読書、遊び、お手伝い)によって影響が見られる意識や時期が異なることから、一つの経験だけでなく、多様な経験をすることが必要である。
(4)小学校の時に体験活動などをよくしていると、家庭の環境に関わらず、高校生の時に自尊感情や外向性、精神的な回復力といった項目の得点が高くなる傾向がある。
地域が、子ども達の育ちのために、学校などに積極的に関わっていくことが、家庭の環境にかかわらず、子ども達の育ちを支えるという事が明らかになってきています。
地域と学校が、子ども達の育ちのために、共に進んでいける環境を作っていきます。